代表理事挨拶 土と地盤に寄り添った仕事を 一般財団法人 GRI財団は、1960年に財団法人大阪土質試験所として設立以来、大阪及びその周辺地域を主たる活動拠点としながら、国内外や海外の地盤特性を把握し防災や環境も視野に入れた研究と業務を遂行してまいりました。 2023年に一般財団法人GRI財団と名称を変更し、土と地盤に寄り添った組織として、皆様の地盤に関する良き相談相手になるべく努めてまいります。 土と地盤の声を聴く、研究者・技術者集団 30地盤構造物を構築する営為を、土と地盤を制圧したととるのではなく、語り合うことによってその性質や挙動を理解することが重要であると考えます。自然が生み出した土と地盤に真摯にかつ謙虚に接することで観ることができる本質があります。 この考えに立脚し、当財団の地盤工学、地形学、地質学、地球物理学、地震学、地震工学、地盤環境工学、地盤情報学を専門とする研究者・技術者集団が、皆様の前に立ちはだかる地盤問題に対して適切な診たてを提供し、その解決に役立つことを確信しております。 現場と研究の積極的交流を 土質材料には共通の特性と地域特有の特性があります。含水比や土粒子密度、間隙比といった諸量は同じ土俵で比較できますが、例えば関西と他地域とでは土の鉱物組成や強度に大きな違いがあります。地盤工学上の問題はこうした地盤を構成する土質材料の特性に大きく依存するため、当財団では理学と工学の専門家が協働して業務にあたる体制をとり、”現場にこそ真実がある“という姿勢で、自ら現場に入り地盤やその挙動を観るという姿勢を堅持しています。 また大学や官民の研究機関との連携を密にして、現場と研究機関の接点となり、最新かつ高精度の情報を提供することにより、複雑な地盤問題に対する安全かつ経済的な解を提示する努力を通じて皆様のお役に立ちたいと願っております。我々は、与えられた問題を黙々と解くのではなく、将来起こりうる問題を提起し、その解決に向けた方法論を示して社会に貢献するという研究機関としての矜持をもって仕事にあたりたいと考えております。 高品質の地盤情報の集積と地盤・環境問題への利活用 当財団は、いち早く地盤工学においても情報が重要であるとの認識の下、土質区分や物性といった地盤情報とともに、地震情報、地下水情報、計測管理情報などをデータベース化し、関係機関と協力しながらこれら諸情報の集積と利活用を先導してきました。地盤情報データベースに包含された膨大な地盤に関する情報を用いた研究、解析を基礎として、広範な地盤・環境問題に適切に対応できる解を提示し、情報発信をすることにより安全な社会の構築に貢献してまいります。 代表理事 三村 衛 https://www.geor.or.jp/wp-content/uploads/2023/07/message.mp4