地質地盤グループ 地質を探る 人々の生活を支えるフィールド(地質)の成り立ちを探る 地層の構成や堆積状況は地域ごとに異なります。日本では活断層も数多く分布しています。私たちは、地質を探ることによって、安全・安心な暮らしの礎を築くことに貢献しています。 分析による高精度な地層対比 地層が、いつ、どのような環境で形成されたのかを知るために、ボーリングコア試料を丁寧に調べます。火山灰・花粉化石・珪藻化石などを調べると、堆積時期や当時の環境を知ることができます。様々な手法を組み合わせることで地層の分布や構造などを正確に知ることができます。 火山ガラス 花粉化石 珪藻化石 ピアノ線を使って半割する 半割したコア試料 観察や土色の計測 ボーリングコア写真 地下水の調査と地中熱利用推進の試み 大阪平野では、過去に地下水の過剰な汲み上げが原因で地盤沈下がおこりましたが、現在では厳しい揚水規制により地盤沈下は沈静化しつつあります。最近では、地下水を保全しつつ有効に活用していこう、という動きも高まっており、例えば大阪では、地下水の熱をエネルギーとして利用する(地中熱利用)ための取組みが進められています。 地中熱は再生可能エネルギーの一つで、これからの脱炭素社会の実現に向けて更なる普及が望まれる技術です。私たちは、地中熱利用の技術開発のプロジェクトの一部を担い、地下水環境の健全化と、地球温暖化対策に貢献しています。 地下水観測井と水位計 地下水採水状況 地下水水質調査(現地作業) 情報を活かす 地盤情報データベースの構築と地域地盤特性の研究 当財団では「関西圏地盤情報ネットワーク」と連携して、主に関西圏における地盤情報のデータベース化・地域地盤特性の研究活動・地盤情報抽出表示技術の開発を進めています。 ボーリングデータベースのシステム開発:DIG 当財団が開発したDIGシステムは、多量のボーリングデータを集積することにより、様々な地盤の特性を抽出する機能を備えています。当システムの基本機能は「関西圏地盤情報ネットワーク」に提供し、地盤関係の学識者ならびに建設調査機関などで広く活用されています。 3次元地盤モデルの構築 3次元地盤モデルは、ボーリングデータや地層分布を3次元的に可視化したモデルです。地表面では平らな地形でも、断層の活動などにより地下の地層は大きく変形していることがあります。地下の地盤状況を3次元的に可視化することにより、地下構造物の設計・施工に対して、より確かな地質・地盤リスクを評価することができます。 https://www.geor.or.jp/wp-content/uploads/2023/07/3D_0629.mp4